McKinsey & Companyの記事でインフォグラフィックがいくつか紹介されていました。
先に横棒グラフを見ますと、現在アメリカ全体でどのような仕事がどのぐらいの時間費やされているかの割合を表しています。
左のオレンジ色の方から、
・他者の管理 7%
・意思決定、計画策定、クリエイティブな仕事 14%
・ステークホルダーとの交流 16%
・予測できない肉体作業 12%
・データ収集 17%
・データ処理 16%
・予測できる肉体作業 18%です。
一方でその上にある縦棒グラフは、それらの仕事のうち現在のAI技術で機械に置き換えることができる時間をパーセンテージで表しています。
例えば「他者の管理」は9%しかAIで置き換えられませんが、「予測できる肉体作業」は78%も置き換えられてしまうという予測です。
上のグラフは職業で分けているのではなく、仕事内容で比較しています。つまり、どのような職業にもある程度の割合でAIに置き換えられてしまう仕事があることがわかります。
次に、さらに職業別に細かく表したインフォグラフィックです。
一番上の「宿泊施設・食品サービス」は「予測できる肉体作業」の割合が非常に大きい(円が青くて大きい)ため、ほとんどがAIで置き換えられてしまう恐れがあります。次に置き換えられやすいのが製造業です。
逆に一番下にある「教育サービス」はAIに置き換えられる恐れが最も少ないと言えるでしょう。
「〇〇年後にAIに置き換えられる職業」などと言われることが多いですが、同じ職業の中にも置き換えられる仕事、そうでない仕事があります。
経営者としては、効率化を図って会社を成長させるために、AIに置き換えられる仕事は積極的に置き替えるという視点が求められるでしょう。一方で社員の視点では、会社に必要とされる人材となるにはどうしたらいいのか、AIに置き換えられない仕事を担うにはどのような能力を伸ばせば良いのか、を考えるきっかけになると思います。
ちなみに当社の「ロール曲げ加工」は予測できない肉体作業と予測できる肉体作業のミックスです。単純な円筒は現在の技術でもある程度予測できる(データを入力するとどのように加工すれば良いか数値で表せる)のですが、実際には重力による垂れを考慮しなければならなかったり、機械の個体差があったり、様々な条件が加わって「予測できない肉体作業」になります。別の言葉で言えば職人技ですね。
したがって今のところAIに置き換えられる心配は少ない職業と言えますが、技術の進歩により様々な条件まで考慮して予想できるようになってしまえば置き換え可能です。学生時代に情報科学を勉強した身としてはAIによるロール曲げ加工を見てみたいという想いもありますが、地域の雇用を守る中小企業経営者の立場からすると複雑な気持ちになります。
さて、自分が現役の間にそのような時代が来るでしょうか。
(引用元)
Where machines could replace humans—and where they can’t (yet)