2024年9月2日月曜日

板が薄すぎてロール曲げできない(スリップしてしまう)

 板が厚過ぎると機械の力が足りなくて曲げられなくなるのはイメージしやすいと思いますが、逆に板が薄過ぎてもロール曲げできません。


 メーカーの演算ソフトでは、

「荷重不足[トップロールがスリップする恐れがあります]」

というエラーメッセージが表示されます。


 このような場合、もし設計変更可能であれば、板厚を厚くする提案をさせていただいております。

 ロール曲げの可否は機械のスペックによって決まってしまうため、所有する機械によって加工可能範囲が制限されてご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承の程お願いいたします。

 なお、弊社のロール曲げ可否自動判定ページではご希望の板厚でのロール曲げ加工が可能かどうかを簡単に判定することができます。ぜひご活用いただけますと幸いです。


2024年8月26日月曜日

スプリングバックのせいでロール曲げできない

  金属は曲げた時にバネのように元に戻ろうとするスプリングバックという現象が起こります。(詳しくはロール曲げのスプリングバックをご参照ください。)

 そのため、ロール曲げ可能な直径はトップロールの直径より大きくなります。


 例えばベンディングロール(ロール曲げの機械)のトップロールがΦ300の時、Φ300にロール曲げすることはできません。無理にそれ以上曲げようとすると、麺棒で生地を伸ばすのと同じように板が伸びてしまうこともあります。

 なお、弊社のロール曲げ可否自動判定ページではスプリングバックも考慮してご希望の寸法のロール曲げ加工が可能かどうかを簡単に判定することができます。ぜひご活用いただけますと幸いです。

2024年8月22日木曜日

経営革新計画の承認(3度目)

 この度、弊社の経営革新計画が承認されました。今回で通算3度目の承認となります。

計画の内容は商工会のウェブサイトで紹介していただいております。

プラント現物を元に設計データを作成するリバースエンジニアリングの開始

なお、余談ではありますが静岡県知事選挙期間中だったため職務代行者の副知事による承認という珍しい承認書でした。

2024年8月19日月曜日

健康宣言(ふじのくに健康づくり推進ホワイト事業所認定)

 山十佐野製作所は健康づくり推進事業所宣言を行い、「ふじのくに健康づくり推進ホワイト事業所」として認定されました。今後も従業員の健康づくりに取り組んでいきます。



2024年7月27日土曜日

スクリュー羽根はロール曲げできますか?

 コンベアスクリュー等の羽根をロール曲げ加工できるかという問い合わせをよくいただきます。残念ながらスクリュー羽根曲げはロール曲げでは加工できません

ただ、地元にスクリュー羽根曲げを得意としている協力業者があります。

こちらは以前に加工していただいた時の写真です。


薄いものや小さいものはオンラインで注文できるサイトもあると思いますが、それらで対応できないような形状でもしお困りの際にはお問い合わせいただけますと幸いです。

反ってしまった板をロール曲げで平らにできますか?(対応不可)

 「パンチング加工をしたら板が反ってしまった」「溶接をしたら熱で板が反ってしまった」などの理由で、ロール曲げで平らにできないかという問い合わせをいただくことがあります。

残念ながらこれらの反り/歪み修正をロール曲げで行うことはできません。

パンチングや溶接で反ってしまった板は、極端に言えば下図のような変形をしています。


理屈では、凸になっている箇所を押せば平らに近づいていくはずです。しかし、ロール曲げはシリンダーで押す機械なので、”1点だけ”を押すことができません。つまり凸になっている箇所以外も一緒に押してしまうことになってしまうので、平らにすることは不可能です。

なお、上図のように変形してしまったということは、平らな時と比べて表面積が変わっています。体積は変わらないはずですので、おそらくその分だけ板厚が薄くなっているのだと推測されます。(麺の生地を棒で延ばすようなイメージです。)したがって、仮にロール曲げ以外の方法(例えば製缶プレス)で平らにできたとしても、元の板よりサイズが大きくて板厚が薄くなっていることは想定しておいた方が良さそうです。

S字にロール曲げできますか?

 3本ロールでS字にロール曲げすることは可能です。ただし、形状によります。

S字にロール曲げするには、一部をロール曲げした後に、板を裏返して曲げることになります。

3本ロールの構造上、先に曲げたところの一部に逆向きの力が加わって、板が伸びる(Rが緩くなる)ようになってしまいます。

板が厚くなればなるほどRの誤魔化しが効かなくなるので、S字ロール曲げが困難になります。逆に板厚が薄ければほとんど気にならないレベルに収まることが多いです。以下は以前に山十佐野製作所で加工したS字ロール曲げの写真です。


有名靴ブランドのショップの展示棚として使用されています。

板厚、サイズ、曲げ径などの形状にもよりますが、山十佐野製作所ではS字ロール曲げも可能ですのでぜひご相談ください。