2019年8月10日土曜日

取鍋用フォーマーの製作

鋳造所様向けの取鍋用フォーマーを製作させていただきました。
簡易的な2次元図面をいただいて、ヒアリングをしながら製缶用図面を製図、板金展開、簡易な紙模型を作って展開の確認、材料切断・曲げ・穴あけ・溶接・グラインダー仕上げ、組み立て、という工程での対応です。
また、今回は一部の形状が複雑だったこともあり、3D-CADも利用して寸法確認を行いました。
もっと高度な3D-CADソフトを持っていればより効率的に製作できたのではないかと痛感しております。一品ものの受託生産が多い製缶板金業ではITによる自動生産は難しいとは思いますが、人間を補助する目的でのIT利用は必須で、弊社のような小さな町工場でも積極的に進めていく必要があると感じさせられました。



2019年7月4日木曜日

高精度・難加工技術展 2019 への出展のお知らせ

来る2019年9月4日(水)~9月6日(金)にパシフィコ横浜で開催される「高精度・難加工技術展 2019」へ出展させていただく運びとなりました。

展示会では昨年のものづくり補助金を使って自動化を図った「極厚ロール曲げ加工」の技術を紹介する予定です。

弊社以外にも静岡県内の様々なものづくり企業が「静岡県中小企業団体中央会 静岡県ものづくり支援センター」ブース内に集まっております。
https://biz.nikkan.co.jp/eve/hds/visitors.html

ぜひ皆様にお立ち寄りいただけますと幸いです。


2019年5月18日土曜日

混合ガスを使用する半自動溶接機の導入

溶接工程の効率化を図るため、新しい半自動溶接機を導入いたしました。
電圧を測定しながら自動的に調整する機能がついており、さらに混合ガス(アルゴン:80%、CO2:20%)を使用することでスパッターが極力抑えられるようになっています。


右側が今回導入した溶接機です。
弊社はロール曲げ加工が専門ですが、溶接を含めた製缶加工にも対応しております。

今後ますます人手不足が進んでいく中、どのように効率化を図るかが死活問題になってくるはずです。お客様の納期のご要望にお応えできるよう、これからも積極的に新しい技術を取り入れながら努力を続けてまいります。

2019年5月16日木曜日

穴やスリットの入った板をロール曲げするとどうなるのか?

例えばパイプが何本も飛び出しているタンクのような製品を作る時、胴体をロール曲げで製作するにあたって、板を曲げてから穴をあけるよりも、先に板に穴をあけてから曲げた方が効率が良いのは間違いありません。ただ、そのような板をロール曲げすると穴付近の真円度が落ちてしまう、もしくは形状によっては全く曲がらない可能性もあります。

そこで、次善の策として
1)切り落とした丸板を点付しておいたらどうか
2)完全に穴をあけるのではなくスリットを入れるだけにしたらどうか
という話になります。

確かにこれらの方法であれば完全に穴のあいた板を曲げるよりは真円度への影響が少なくなるかもしれません。しかし、板が厚くなればなるほど(加わる力が大きくなるので)やはり変形して真円度が落ちてしまいます。

写真は厚み20mmほどの鉄のスリット入り板をロール曲げしたところです。板を曲げると外径面が引き延ばされますので、スリットの幅が広がって見えるのがわかります。


さらによく見ると、点付けが取れてしまったり、スリットで残しておいた部分が断裂してしまったりしています。




穴以外にも溝や切欠など様々な加工が円筒に加わる場合があります。効率を求めるために曲げより前に加工をするのか、精度を求めるために曲げより後に加工をするのか、このトレードオフは常に存在する問題です。弊社ではお客様と打ち合わせを行い、できる限り最終的な製品の使用目的を理解し、最適な製作方法の一環としてのロール曲げ加工となるように努めてまいります。

2019年5月8日水曜日

螺旋階段のササラ板曲げ

弊社のロール曲げ加工は、タンク、ホッパー、パイプ、ダクトなどのプラント設備や、鋼管杭などのインフラ・建設資材といった、比較的大きな建造物向けの部品を製作することがほとんどです。
しかし時には一般建築用の部品を製作することもあります。
最近ではとある施設の螺旋階段のササラ板曲げを製作いたしました。


この階段のササラ板(両側面の板)をらせん状にロール曲げしているところがこちらです。



普段は無味乾燥な工場・インフラ用の部品を作ることが多いので、お客様から美しい完成写真をいただいた時は感動しました。
今後もロール曲げ加工という技術でより多くの皆様のお役に立てるように精進してまいります。

2019年3月23日土曜日

Google App Engineでウェブサイトを無料で運用

企業活動を行うにあたって今やウェブサイトを持つことは当たり前になっています。
皆さんはどのように運用していますでしょうか?
・業者に委託する
・自分でレンタルサーバー等を借りて運用する
・WIXなどオンラインでウェブサイトを作成できるサービスを利用する
などいろいろな選択肢があるかと思います。
弊社では、「うちのような町工場レベルのウェブサイトはHTMLで十分」と割り切った上で、Google App Engineを利用して運用しています。
今までこのような裏事情は誰も興味がないだろうと思っていたのですが、実は選択肢の一つとして有益な情報なのではないかと思い、記事を書くことにしました。
Google App Engineとは、

Google App Engine (GAE) は、Googleの提供するサービスの1つであり、ウェブアプリケーションをPHP・Python・Java・Go言語を使用して開発し、Googleのインフラストラクチャー上で実行し、バージョン管理することができる。Google Cloud Platformの一部。
 (Wikipediaより)

です。
本来は複雑なWebアプリケーションを製作するためのものなのですが、HTMLを置けば単純なウェブサイトとしても機能します。

詳しい設定の仕方はこちらのGAE で独自ドメインのSSL静的ウェブサイトを無料でホストするで説明されていますのでご参照ください。

弊社の場合は問い合わせフォームだけPHPというプログラミング言語で作りました。
と言いましても、正確にはPHP多機能メールフォーム フリー(無料)版を利用させていただいております。
ただ、GAEにはPHPのメール送信に制限があるため多少の調整が必要です。
具体的には、Fromはnoreply@xxxxx.appspotmail.comで、Reply-Toはお客様のメールアドレスになるようにプログラムを修正しました。

ロール曲げどころか金属加工すら全く関係のない話題ですが、弊社のような町工場、もしくは中小零細企業のウェブサイト運用のコストダウンに少しでも役に立てばと思い書かせていただきました。

2019年1月12日土曜日

ベンディングロール自動化装置の追加

この度、ものづくり補助金の採択を受けてベンディングロールに自動化装置を追加する工事を行いました。


人口減少による人手不足は深刻で、弊社の業界でも「技術者が定年退職してしまい、今まで加工できていたものができなくなってしまった」「黒字なのに後継者がいないので廃業する」といった話を聞くようになりました。
一方で、AI技術の進歩はすさまじいスピードで進んでいます。
この2つの事象から考えると、「今までは職人の技や勘に頼っていた仕事を機械で加工できるようにしたい」というニーズが増え、ますます技術が発展していくことは間違いありません。
そして、ただでさえ人が集まりにくい弊社のような町工場が生き残るためには、このような技術を取り入れていく必要があると考えています。

とは言え、今のご時世、弊社のような弱小零細が最新鋭の機械を新規に導入するのは財政的に難しいというのも事実です。そこで、今回弊社では既存のベンディングロールに自動化装置(制御ソフトウェアと部品)を追加する方法をとりました。(上の写真で機械本体が古いことにお気づきの方もいらっしゃったかと思います。)

長年培ってきた職人技術と最新の技術を組み合わせ、将来的にも継続してお客様に安定した品質を短納期で提供していけるように努力を続けます。