せっかくロール曲げのお問い合わせをいただいたのに、「板厚に対して直径が小さ過ぎてロール曲げできません」とお応えすることがあります。
以前に直径が小さ過ぎてロール曲げできないという記事で、直径とロール曲げの可否の関係については説明しました。今回はここに板厚が絡むとどうなるのか、考えていきたいと思います。
まず、より小さい直径で曲げられるようにするには、トップロールの直径を小さくするしかありません。
ここで、より小さな直径を曲げるために、トップロールを細くして、さらに機械の力を強くしたらどうなるでしょう?
力は両端にしか加わりませんので、トップロールがしなってしまって、肝心の板への力は加わりづらくなります。
つまり、「より厚い板を曲げたい」と「より小さい直径を曲げたい」という2つのニーズを同時に満たすことはできないということです。
なお、同様に「より小さい直径を曲げたい」と「より幅の広い板を曲げたい」という2つのニーズも同時に満たすことができません。
なぜなら、力が両端にしか加わらないということは、中央付近には力がかからないということになり、結果として板全体が曲がらないからです。
プレスブレーキはパンチに上から力が加わるようになっていますから、板に対して均等に力を加えることができます。したがって、ロール曲げと比べると、より厚い板をより小さい直径で曲げることが可能です。