2022年8月8日月曜日

DraftSightでAutoLISPを使うには

 本記事はDraftSightでAutoLISPを使うための情報をまとめたものです。

https://www.3ds.com/ja/products-services/draftsight-cad-software/ より

 DraftSight(ドラフトサイト)とは、フランスのダッソー・システムズ社が提供している2DCADソフトウェアです。製品の詳しい説明はWikipediaに譲りますが、業界のデファクトスタンダードであるAutoCADと非常に互換性が高いのが特徴です。以前は無償版がありましたが、残念ながら2019年からは有償版のみとなっております。

 弊社は設計部門があるわけではないので高度なCADソフトウェアは必要ありません。しかしながら、お客様から支給されたCADデータから曲げ加工図を描いたり展開をしたりといった作業が発生します。そこで、以下の条件を満たすCADソフトウェアを探してきました。

・お客様のCADデータとの互換性が高いこと(つまり業界のデファクトスタンダードであるAutoCADのDWGファイル形式を問題なく扱えること)

・自動化ができること(マクロやAPIが充実していること)

・世界の市場シェアが低すぎないこと(マイナーだと生産停止の恐れがあるため)

・AutoCADと比べて安いこと

 いろいろなCADソフトウェアを調べた結果、弊社ではDraftSightのProfessional版を選定して利用しております。ちなみにAutoCADの年間使用料金は71,500円で、DraftSightの年間使用料金は35,925円ですのでおよそ半額です。

 さて、今回弊社では生産性向上のためにCADの作図作業の効率化を図るべく、DraftSightでAutoLISPを使った自動化を行いました。その際、DraftSightでAutoLISPを使うための情報がとにかく少なかったため、こちらの記事にまとめておこうと考えた次第です。

 AutoLISPプログラミングそのものに関する情報は、AutoCAD向けに説明したサイトが多数あるためそちらに譲ります。本記事ではAutoLISPプログラムをDraftSightで動かす方法についてのみ説明いたします。

1.DraftSightでAutoLISPプログラムを動かすには

 メニューから ツール → アプリのロード を選択し、AutoLISPファイル(.lspファイル)を開くと実行されます。

2.DraftSightの起動時に任意のAutoLISPプログラムが自動的に実行されるようにするには

 まず、メニューから オプション を選択し、

ファイルの場所 → システム → サポートファイルの検索パス を開いてパスを確認します。

(例)

C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\DraftSight\22.0.1022\Support\

C:\Program Files\Dassault Systemes\DraftSight\Default Files\Support\

 おそらくUsers配下のフォルダの方に、以下の内容が書かれたstart.lspというファイルがあるはずです。

;;; START.lsp for DraftSight

;;; ==============================

(if (findfile "startup.lsp")

(load "startup.lsp")

)

 これを見ると、同じフォルダにstartup.lspというAutoLISPプログラムがあれば自動的に読み込まれるようになっています。したがって、このフォルダにstartup.lspというファイルを作り、その中へ起動時に自動実行したいAutoLISPコードを書けば解決です。

 以上、DraftSightでAutoLISPを使うための情報でした。日本語はおろか英語でもネットで情報が見つけられなかったため、誰かのお役に立てば幸いです。