2022年9月10日土曜日

テーパー管(レジューサー/コーン)の板金展開時の注意点

ロール曲げ加工は円筒やテーパー管など単純な幾何学形状を加工するため、時々"t6、外Φ300、高さ200"など言葉だけの仕様で発注がかかることがあります。円筒の場合はあまり問題になることはありませんが、テーパー管の場合、特に板が厚い時は注意が必要です。

下図をご覧ください(クリックすると大きく表示されます)。

A、B、どちらも言葉だけで表そうとしたら”板厚t12、小径外Φ150、大径外Φ200、高さ50”となると思います。しかし、Aは曲げ終わった時点で高さが50mmになるのに対し、Bは下の部分をグラインダーで削らなければ高さ50mmになりません。

両者は製品形状が違うので板金展開形状も違ってきます。

パイプ(円筒)の板金展開は板厚の芯の直径に円周率を掛ければ計算できます(中立線のずれは無視できると仮定して)。テーパー管の板金展開も基本的な考え方は同じです。

上図にはAとBそれぞれの板芯の直径が書かれています。両者は違っているので展開形状も違ってくるのです。

弊社では特に指定がない場合はAで展開をしております。理由は、こちらの形状はそのまま組めば高さ50mmを確保しつつ、しかも自然開先になるからです。


一方でBは下部をグラインダーで削って高さを合わせなければならないだけではなく、必要に応じて開先も取らなければなりません。

弊社では常にお客様の手間をできるだけ減らすことを考えて提案をさせていただいております。

0 件のコメント:

コメントを投稿