テーパー管(レジューサー/コーン)は形状によってロール曲げ可能です。陣笠は全く加工できません。
テーパー管がロール曲げ可能なので似たような形状の陣笠もロール曲げできるのではと思われることがありますが、機械の構造上不可能です。
まず、3本ロールでどのようにテーパー管を曲げているのかを説明します。下図をご覧ください。
2つめの画像は真横からみたところです。このように、トップロール(上のシリンダー)を傾けて小径側だけが強く曲がるようにして加工しています。
では同じ方法で陣笠を曲げようとするとどうなるでしょうか?わかりやすいようにトップロールを半透明にしてみました。
ご覧の通り、このままトップロールを下げると陣笠の頂点付近が曲がってはいけない方向に曲がってしまいます。したがって陣笠は3本ロールでは加工不可能です。
では同じテーパー管でも曲げられるものと曲げられないものの差はどこにあるのでしょうか?
テーパー管の小径を徐々に小さくしていくと、やがて直径Φ0mmに近づいて陣笠になります。可能・不可能の境目はそのどこかにあるはずです。テーパーロール曲げが不可能となる条件は以下の通りです。
条件1)小径にトップロールが入らない。
当たり前ですが、トップロールより小さな直径に曲げることはできません。(陣笠もこの条件に当てはまります。)
条件2)小径と大径の差が大きい。
差が大きければ大きいほど、小径側だけを強く、大径側を弱く曲げる必要がありますので、トップロールを大きく傾けなければなりません。しかし、機械の構造上、傾けられる角度には限界があります。
また、傾ければ傾けるほど機械に(油圧シリンダーに)高負荷がかかります。メーカーからは「通常の円筒の2倍~3倍の負荷がかかると考えてほしい」と言われています。曲げに必要な力は大雑把に板厚の2乗に比例しますので、テーパーロール曲げの可否を大雑把に調べたい時は、こちらのロール曲げ可否自動判定で板幅を実際の1.4(√2)倍~1.7(√3)倍で入力してみるという方法があります。ただ、残念ながら正確な可否判定は難しいというのが正直なところです。
弊社にお問い合わせいただいた場合は、過去の加工実績データベースから類似形状を一瞬で検索できるシステムも使って総合的に可否判断をしております。その結果、弊社の3本ロールで加工できないと判断した場合は、協力業者でのプレス曲げ(FR曲げ)でのお見積りを提案させていただいております。
全ての曲げ加工に対応することができず大変申し訳ございませんが、何卒ご了承いただけますと幸いです。
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